「シロアリを見つけたけど、自分で駆除できるの?」と不安に感じていませんか。結論から言うと、被害が軽度でヤマトシロアリであればDIYでの駆除は可能です。ただし巣の根絶は難しく、再発リスクがある点は理解しておく必要があります。
DIYの費用目安は3万〜7万円程度で、業者に依頼する場合の半額以下に抑えられます。一方で床下作業は体力的にハードで、薬剤の取り扱いにも注意が必要です。
この記事では、シロアリ駆除を自分で行う方法・手順・必要な道具から、DIYの限界や業者に依頼すべきケースまで詳しく解説します。
シロアリ駆除を自分でできるケース・できないケース
シロアリ駆除をDIYで行えるかどうかは、シロアリの種類と被害の程度で決まります。まずは自分で対処できる範囲かどうかを正しく判断しましょう。
自分で駆除できるケース
以下の条件を満たす場合は、DIYでの駆除が現実的です。
- 被害箇所が目視できる範囲に限定されている
- ヤマトシロアリである(日本の被害の約9割)
- 床下に人が入れるスペースがある(高さ40cm以上が目安)
- アリ道(蟻道)が基礎周辺に数本見られる程度
ヤマトシロアリは巣の規模が比較的小さく、被害の進行もゆるやかです。発見が早ければ自分で薬剤処理を行うことで被害を食い止められる可能性があります。
業者に依頼すべきケース
次のような状況では、自分での駆除は避けてプロに任せるべきです。
- イエシロアリやアメリカカンザイシロアリの場合
- 柱や壁に叩くと空洞音がする箇所がある
- 床がきしむ・ふわふわする
- 羽アリが室内に大量発生している
- 床下に入れない構造(ベタ基礎で点検口なし等)
- 一度DIYで処理したが再発した
イエシロアリは巣の規模が100万匹に達することもあり、素人の対処では根絶できません。アメリカカンザイシロアリは乾燥した木材内部に巣を作るため、発見・駆除ともに専門技術が必要です。
シロアリの種類の見分け方
| 種類 | 体の色 | 巣の特徴 | DIY駆除 |
|---|---|---|---|
| ヤマトシロアリ | 黒褐色(兵蟻は頭が橙色) | 被害箇所がそのまま巣になる | 可能 |
| イエシロアリ | 茶褐色 | 地中に巨大な本巣を作る | 困難(業者推奨) |
| アメリカカンザイシロアリ | 赤褐色 | 乾燥木材の内部に巣を作る | 困難(業者推奨) |
判断に迷う場合は、無料調査を行っている業者に種類の特定だけでも依頼するのがおすすめです。
シロアリ駆除に使う市販薬剤の種類と選び方
自分でシロアリを駆除する際に使用する薬剤は、大きく4種類に分かれます。それぞれの特徴と用途を理解して適切に選びましょう。
液剤(土壌処理剤)
床下の土壌に散布して、地中からのシロアリの侵入を防ぐ薬剤です。噴霧器を使って床下全面に散布します。DIY駆除のメインとなる薬剤で、効果の持続期間は約5年が目安です。
- 白アリスーパー土壌用SC50(約6,000〜8,000円/2L)
- タケロックSP20W(約5,000〜7,000円/2L)
液剤(木部処理剤)
木材の表面に塗布、または穴を開けて注入することでシロアリの食害を防ぐ薬剤です。被害を受けた木材や土台・大引きなどの構造材に使用します。土壌処理と併用することで駆除効果を高められます。
- 水性白アリスーパーPHI・20WE(約8,000〜10,000円/14L)
- 白アリミケブロック(約4,000〜6,000円/2L)
ベイト剤(毒餌)
シロアリが好む餌に駆除成分を混ぜた製品です。建物の外周に埋め込み、シロアリが巣に持ち帰ることで巣全体に効果が及びます。床下に入れない場合でも使えるのがメリットです。
ただし効果が出るまで1〜3ヶ月かかるため、即効性はありません。定期的にベイト剤の交換・補充が必要な点にも注意しましょう。
- シロアリハンター(約3,000〜4,000円/6個入り)
- シロアリの巣ごと退治(約1,500〜2,000円/2個入り)
スプレー剤(エアゾール)
発見したシロアリに直接噴射して駆除するタイプです。手軽に使えますが、効果は一時的で巣の根絶はできません。応急処置としての使用に限定しましょう。
市販のスプレー殺虫剤には忌避成分が含まれている製品が多く、シロアリが奥に逃げて被害範囲が拡大するリスクがあります。シロアリ専用の「非忌避性」スプレーを選ぶことが重要です。
シロアリ駆除を自分でやる手順【準備から施工まで】
ここからは、DIYでシロアリを駆除する具体的な手順を解説します。作業日数は3〜4日が目安です。
STEP1:道具と薬剤を準備する
まずは必要な道具を揃えましょう。安全に作業するための装備が欠かせません。
- 防護服(つなぎ)またはレインウェア
- 防塵マスク(できれば防毒マスク)
- 保護ゴーグル
- ゴム手袋
- ヘッドライト
- 噴霧器(蓄圧式・容量4〜5L)
- 電動ドリル(木部注入用・直径8mm程度)
- 養生シート・マスカー
- 土壌処理剤・木部処理剤
STEP2:床下の点検・被害箇所を確認する
まず床下点検口から中に入り、被害状況を確認します。蟻道(ぎどう)の有無、木材の損傷、湿気の状態をチェックしましょう。
- 基礎の立ち上がり部分に蟻道(土のトンネル)がないか
- 土台・大引き・束柱に食害の跡がないか
- 木材がスカスカになっていないか(マイナスドライバーで軽く突いて確認)
- 水漏れや結露による過度な湿気がないか
被害箇所はスマートフォンで写真を撮っておくと、施工の際に役立ちます。
STEP3:木部処理を行う
被害を受けた木材を中心に、木部処理剤を塗布・注入します。
- 被害箇所の木材にドリルで穴を開ける(間隔20〜30cm・深さ木材の2/3程度)
- 穴に木部処理剤を注入する
- 木栓で穴をふさぐ
- 木材表面にも木部処理剤を刷毛で塗布する
- 土台・大引き・束柱など構造材にも同様に塗布する
被害を受けていない木材にも予防として塗布しておくと安心です。特に浴室・トイレ・キッチンなど水回り周辺の構造材は湿気を含みやすいため、重点的に処理しましょう。
穿孔注入する際のドリルの深さは、木材の太さの2/3が目安です。貫通させると構造が弱くなるため注意してください。注入後は木栓やパテでしっかりふさぎ、水分が入らないようにします。
STEP4:土壌処理を行う
床下の土壌全面に、希釈した土壌処理剤を噴霧器で散布します。
- 土壌処理剤を説明書の指示どおりに希釈する
- 蟻道のあった場所を重点的に散布する
- 基礎の立ち上がりに沿って帯状に散布する
- 床下の土壌全面にまんべんなく散布する
- 散布量は1㎡あたり3L(希釈液)が目安
床下全面への散布は、30坪の住宅で希釈液が約150L必要になります。噴霧器の補充作業が繰り返し発生するため、体力的にもっともハードな工程です。
STEP5:玄関・浴室まわりの処理
玄関の土間コンクリートや浴室のタイル下は、床下から処理できないことが多い箇所です。玄関ポーチや浴室周りはシロアリの侵入経路になりやすいため、外側からベイト剤を設置するなどの対策を行いましょう。
土間コンクリートのひび割れから侵入するケースもあります。ひび割れを見つけた場合は、コーキング剤で補修してからベイト剤を設置するのが効果的です。
STEP6:施工後の確認と後片付け
すべての処理が終わったら、養生シートを外して後片付けをします。使用した道具や余った薬剤は、説明書の指示に従って適切に処分してください。
施工後1ヶ月程度で、蟻道が新たに出現していないか確認しましょう。3ヶ月後・6ヶ月後にも再点検を行い、再発がないかチェックすることが重要です。記録として施工日・使用薬剤・散布量をメモしておくと、5年後の再処理時に役立ちます。
シロアリを自分で駆除する際の安全上の注意点
シロアリ駆除の薬剤には化学成分が含まれるため、安全面への配慮が不可欠です。以下の注意点を必ず守りましょう。
服装・装備の注意点
- 防塵マスクは必ず着用する(薬剤の吸入を防ぐため)
- 保護ゴーグルで目を守る(薬剤が目に入ると危険)
- 肌の露出をなくす(長袖つなぎ・ゴム手袋・長靴)
- ヘッドライトは両手が使えるタイプを選ぶ
薬剤の取り扱い注意点
- 使用量は説明書の規定量を厳守する(多く撒いても効果は変わらない)
- 作業後は床下の換気を十分に行う
- 作業中はこまめに休憩し、体調の変化に注意する
- ペットや小さなお子さんがいる家庭は作業中・乾燥中の立ち入りを制限する
- 薬剤は子どもの手が届かない場所に保管する
床下作業の注意点
- 必ず2人以上で作業し、1人は地上で待機する
- 配管・電気配線に触れないよう注意する
- 狭い場所には無理に入らない
- 熱中症対策として夏場の作業は早朝に行う
床下は高さ40cm程度しかない場所がほとんどです。匍匐前進での移動は想像以上に体力を消耗します。体力や安全面に不安がある場合は、無理をせず業者への依頼を検討しましょう。
シロアリ駆除の費用比較|DIYと業者どちらが安い?
自分でシロアリ駆除を行った場合と、業者に依頼した場合の費用を比較します。
DIYの費用目安
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 土壌処理剤 | 6,000〜8,000円 |
| 木部処理剤 | 8,000〜10,000円 |
| 噴霧器 | 3,000〜5,000円 |
| 防護服・マスク・ゴーグル | 5,000〜8,000円 |
| ドリル・木栓・刷毛等 | 3,000〜5,000円 |
| ヘッドライト・養生シート | 2,000〜3,000円 |
| 合計 | 約30,000〜70,000円 |
施工面積が30坪程度の場合の目安です。薬剤は希釈して使うため、住宅の広さによって必要量が変わります。
業者に依頼した場合の費用相場
| 床面積 | 費用相場 |
|---|---|
| 20坪 | 約100,000〜130,000円 |
| 30坪 | 約130,000〜200,000円 |
| 40坪 | 約180,000〜260,000円 |
業者の費用相場は1坪あたり5,000〜7,000円が目安です。5年保証付きの業者が多く、再発時は無料で再施工してもらえるケースが一般的です。
DIYと業者の総合比較
| 比較項目 | DIY | 業者 |
|---|---|---|
| 費用(30坪目安) | 3〜7万円 | 13〜20万円 |
| 作業日数 | 3〜4日 | 半日〜1日 |
| 駆除効果 | △(巣の根絶が困難) | ◎(専門機材で徹底施工) |
| 再発保証 | なし | 5年保証が一般的 |
| 安全面 | 自己責任 | プロが管理 |
費用だけで見るとDIYが安いですが、再発リスクと保証の有無を考えると業者のほうがトータルコストで有利になるケースも多いです。特に築年数が古い住宅や被害が広範囲に及ぶ場合は、最初からプロに依頼するほうが結果的に安く済みます。
シロアリ駆除費用は雑損控除の対象になる
シロアリ被害による駆除費用は、確定申告で「雑損控除」の対象になります。シロアリは害虫被害として認められているため、駆除にかかった費用を所得から差し引くことができます。
対象になるのは「駆除」にかかった費用であり、「予防」のみの処理は対象外です。領収書を保管し、施工内容の記録を残しておきましょう。業者に依頼した場合は領収書と施工報告書を受け取れますが、DIYの場合は薬剤や道具の購入レシートを保管しておく必要があります。
自分でシロアリ駆除をするDIYの限界と再発リスク
シロアリ駆除をDIYで行う場合、知っておくべき限界があります。費用を抑えたい気持ちは分かりますが、リスクを正しく理解しておきましょう。
巣の根絶が難しい理由
シロアリの巣は地中や壁の内部など、目に見えない場所に広がっています。目視できる被害箇所に薬剤を散布しても、巣本体に届かなければシロアリは別の経路から再び侵入してきます。
プロの業者は湿度計・ファイバースコープ・電磁波探知機などの専門機材を使い、巣の位置を特定してから施工します。DIYではこうした機材を使えないため、処理の精度に限界があります。
また、床下全面に均一に薬剤を散布するには技術と経験が求められます。散布ムラがあると未処理の箇所からシロアリが再侵入するため、DIYでは完璧な施工を行うこと自体が難しいのが実情です。
再発時のリスク
DIYで駆除した場合、再発しても保証がありません。再び薬剤を購入して作業をやり直すことになり、累計コストが業者依頼を超えてしまうケースもあります。
一方で業者に依頼すれば、5年間の再発保証が付くのが一般的です。保証期間内に再発した場合は無料で再施工してもらえるため、長期的な安心感があります。
構造への影響を見落とすリスク
シロアリ被害が進行すると、柱や土台の耐久性が著しく低下します。素人目では「まだ大丈夫」に見えても、内部がスカスカになっている可能性があります。
プロの業者であれば被害の程度を正確に診断し、必要に応じて補修のアドバイスも受けられます。構造に関わる被害を見落とすと、地震時の倒壊リスクにもつながるため注意が必要です。
シロアリ駆除を業者に依頼すべきサイン
以下のサインに1つでも当てはまる場合は、自分で駆除しようとせずプロへの依頼を優先しましょう。
すぐに業者に相談すべき7つのサイン
- 羽アリが室内に大量発生した
- 柱や壁を叩くと空洞音がする
- 床がふわふわする・きしむ
- 玄関ドアや窓の建て付けが急に悪くなった
- 蟻道が複数箇所に見られる
- DIYで処理したが改善しなかった
- 築10年以上でシロアリ防除の履歴がない
特に築10年以上の住宅は、新築時のシロアリ防除剤の効果が切れている可能性が高いです。定期点検を兼ねて一度プロに見てもらうことをおすすめします。
無料調査を活用する
多くのシロアリ駆除業者は無料で現地調査を行っています。「自分で駆除するかプロに頼むか迷っている」段階でも、まず無料調査でシロアリの種類と被害範囲を確認してもらうのが確実です。
複数の業者から見積もりを取ることで、適正価格も把握できます。一括見積もりサービスを使えば、手間をかけずに複数社を比較できます。
シロアリを自分で予防する方法
駆除だけでなく、シロアリを寄せ付けない環境づくりも大切です。日常生活の中でできる予防対策を紹介します。
床下の湿気対策
シロアリは湿気の多い環境を好みます。床下換気口が物でふさがれていないか確認しましょう。床下換気扇の設置や防湿シートの敷設も有効です。
水漏れや結露が発生している場合は早急に修理してください。浴室・洗面所・キッチンなど水回り周辺は特に注意が必要です。
家の周りの木材・段ボールを片付ける
庭に放置した木材・枕木・切り株はシロアリの温床になります。段ボールや新聞紙も湿気を吸ってシロアリを誘引するため、基礎周りに放置しないでください。
ウッドデッキや物置の下も定期的に確認しましょう。土壌と木材が接している場所はシロアリが侵入しやすいポイントです。ガーデニング用のプランターや鉢植えも、基礎に密着させないよう注意してください。
基礎周りの点検習慣
年に2回(春と秋)は建物の基礎周りを一周して蟻道がないか確認する習慣をつけましょう。蟻道は基礎の外側に土の筋として現れることが多く、早期発見が被害拡大の防止につながります。
雨上がりの翌日は蟻道が柔らかく見つけやすいため、点検のタイミングとしておすすめです。基礎と土壌の接地面、配管の貫通部、基礎のひび割れ周辺を重点的にチェックしてください。
5年ごとの定期防除
シロアリ防除剤の効果は約5年で切れます。新築時に防蟻処理を行っている住宅でも、築5年を過ぎたら再処理を検討する必要があります。
5年ごとの定期防除を継続することが、シロアリ被害を防ぐもっとも確実な方法です。DIYで対応するか業者に依頼するかは、前述の判断基準を参考にしてください。
シロアリ駆除についてよくある質問
まとめ|シロアリ駆除は自分でできるが限界を知っておこう
シロアリ駆除は、ヤマトシロアリで被害が軽度であれば自分で対処できます。DIYなら費用を3万〜7万円程度に抑えられるのがメリットです。
ただし、DIYでは巣の根絶が難しく再発のリスクがあります。保証もないため、再発するたびに費用と手間がかかる点を理解しておきましょう。
被害が広範囲に及んでいる場合や、イエシロアリ・アメリカカンザイシロアリの場合は、最初からプロに依頼するのが確実です。まずは無料調査で被害状況を正確に把握することが、適切な対処の第一歩になります。
「シロアリ駆除は必要ない」と考える方もいますが、放置すれば建物の構造に深刻なダメージを与えます。気になる方は以下の記事も参考にしてください。




