中古マンション×リノベーションの費用相場と失敗しない進め方を徹底解説

中古マンション×リノベーションの費用相場と失敗しない進め方を徹底解説

「中古マンションを買ってリノベーションしたいけど、費用はいくらかかるの?」と気になっていませんか。中古マンションのリノベーション費用は1平米あたり15〜20万円が相場で、70平米なら1,050万〜1,400万円が目安です。これに物件購入費を合わせても、新築マンションより総額を抑えられるケースが多くあります。

筆者は2025年に住友林業で注文住宅を建てましたが、その前に「中古マンション+リノベ」も真剣に検討した経験があります。4社のハウスメーカーを比較するなかで、注文住宅とリノベーションの費用対効果をリアルに比べた視点からお伝えします。

この記事では、中古マンション×リノベーションの費用相場・新築との比較・物件選びのポイント・ローンの組み方・リノベーション会社の探し方まで、失敗しないために押さえておきたい知識をすべてまとめて解説します。

目次

中古マンション×リノベーションとは?いま人気が高まっている理由

中古マンションを購入してリノベーションする住まいの選び方が、年々注目を集めています。まずはその背景と基本的な仕組みを確認しましょう。

リノベーションとリフォームの違い

リフォームは「古くなった設備や内装を元の状態に戻す」工事を指します。キッチンの交換や壁紙の張り替えが代表例です。一方、リノベーションは「間取り変更や性能向上を含む大規模な改修」を意味します。

中古マンションのリノベーションでは、壁や床をすべて撤去する「スケルトンリノベーション」も可能です。間取りを一新して自分好みの住まいを作れるのが大きな魅力です。

なお、リノベーションで変更できるのは「専有部分」のみです。窓・玄関ドア・バルコニーなどの共用部分は原則として変更できません。どこまで変更可能かは管理規約によっても異なるため、事前確認が欠かせません。

中古マンション×リノベーションの人気が高まっている背景には、大きく3つの理由があります。

  • 新築マンション価格の高騰が続き、都市部では平均価格が8,000万円を超えるエリアも増えている
  • 築20年を超えると価格下落が緩やかになり、資産価値が安定しやすい
  • 好立地の物件は中古市場に多く、駅近やスーパー至近など生活利便性の高い物件を選びやすい

こうした背景から「新築を買うより中古+リノベのほうが合理的」と考える方が増えています。実際に国土交通省の調査でも、中古住宅の取引件数は年々増加傾向にあり、中古マンションの成約件数は新築マンションの供給戸数を上回る年も出てきています。

特に共働き世帯やDINKs世帯を中心に「立地を最優先で選びたい」というニーズが強まっており、好立地の中古マンションを買ってリノベーションする流れは今後もさらに広がると予想されます。

筆者が注文住宅とリノベを比較検討した体験

筆者自身も家づくりの初期段階で「中古マンション+リノベ」と「注文住宅の新築」のどちらにするか迷いました。住友林業・大和ハウス・パナソニックホームズ・ミサワホームの4社に相談しながら、並行して中古マンションの物件もリサーチしていた時期があります。

最終的には注文住宅を選びましたが、比較検討したからこそわかった「中古+リノベのメリット・デメリット」があります。注文住宅は自由度が高い反面、土地探しから始めるため、入居までに1年以上かかることも珍しくありません。筆者も住友林業での打ち合わせだけで数十回を重ねました。

一方で中古+リノベは、既存の物件をベースにするぶん進行が速く、物件さえ決まればリノベの設計に集中できます。ただし「構造上の制約」という、注文住宅にはないハードルがあります。この記事ではその経験も踏まえて解説していきます。

中古マンションのリノベーション費用相場【物件価格+工事費の内訳】

中古マンション×リノベーションの総額は「物件購入費+リノベーション工事費+諸費用」で決まります。それぞれの相場を具体的な数字で見ていきましょう。

中古マンションの購入費用の目安

中古マンションの購入費用は、立地・築年数・広さによって大きく変わります。首都圏の場合、以下が目安です。

エリア築10〜15年築20〜25年築30年以上
東京23区5,000万〜7,500万円3,500万〜5,500万円2,000万〜4,000万円
東京23区外3,000万〜4,500万円2,000万〜3,500万円1,500万〜2,500万円
神奈川・千葉・埼玉2,500万〜4,000万円1,800万〜3,000万円1,000万〜2,000万円

リノベーション前提で購入する場合、築25年前後の物件が価格と管理状態のバランスが取りやすい傾向にあります。築25年を過ぎると価格の下落が緩やかになるため、資産価値の面でもメリットがあります。

なお、中古マンション購入時には物件価格のほかに仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税)、登記費用、印紙税などの諸費用がかかります。一般的に物件価格の6〜8%程度を諸費用として見込んでおくと安心です。

リノベーション工事費の相場

マンションのリノベーション費用は、工事の範囲によって大きく異なります。2026年4月時点の相場は以下のとおりです。

工事タイプ1平米あたりの単価60平米の場合70平米の場合80平米の場合
表層リノベ(壁紙・床の張替え中心)5万〜10万円300万〜600万円350万〜700万円400万〜800万円
部分リノベ(水回り+内装)10万〜15万円600万〜900万円700万〜1,050万円800万〜1,200万円
フルリノベ(スケルトン)15万〜20万円900万〜1,200万円1,050万〜1,400万円1,200万〜1,600万円
ハイグレードリノベ20万〜25万円1,200万〜1,500万円1,400万〜1,750万円1,600万〜2,000万円

なお、2026年4月からLIXILやTOTOなどの住宅設備メーカーが値上げを実施しています。この値上げは「工事完了日」ではなく「メーカーへの発注日」で適用されるため、タイミングによっては想定以上に費用が膨らむ可能性があります。見積もりは最新の価格で取得することをおすすめします。

また、素材のグレードによっても費用は大きく変わります。たとえばフローリングの場合、複合フローリングなら1平米3,000〜5,000円程度ですが、無垢材を選ぶと1平米8,000〜15,000円以上になることもあります。こだわりたい箇所とコストを抑える箇所のメリハリをつけることが、予算内でリノベーションを成功させるコツです。

物件価格+リノベ費の総額シミュレーション

具体的な総額イメージを把握するために、首都圏で70平米の中古マンションを購入してフルリノベーションするケースをシミュレーションします。

項目金額の目安
物件購入費(築25年・東京23区外)2,500万〜3,500万円
フルリノベーション費1,050万〜1,400万円
諸費用(仲介手数料・登記・ローン手数料等)250万〜400万円
合計3,800万〜5,300万円

同じエリアの新築マンション(70平米)が5,500万〜7,000万円程度であることを考えると、中古+リノベなら1,000万〜2,000万円ほど総額を抑えられる計算になります。

新築マンションと中古マンション×リノベーション、どちらが得?メリット・デメリット比較

「新築と中古+リノベ、結局どちらを選べばいいのか」は誰もが悩むポイントです。それぞれのメリット・デメリットを整理しましょう。

中古マンション+リノベーションのメリット

中古マンションを購入してリノベーションする方法には、以下のメリットがあります。

中古+リノベの5つのメリット
  • 新築より総額を1,000万〜2,000万円抑えられる可能性がある
  • 好立地の物件を選びやすい(中古市場は物件数が圧倒的に多い)
  • 間取りや内装を自分好みに自由設計できる
  • 築20年以降は資産価値の下落幅が緩やかで安定しやすい
  • 管理組合の運営実績や住民層を事前に確認できる

特に都市部で駅近物件を探している方にとって、物件の選択肢が多い点は大きなメリットです。新築マンションは限られたエリアにしか供給されませんが、中古なら幅広いエリアから希望の立地を選べます。

さらに、新築マンションは購入直後に資産価値が10〜20%下がる「新築プレミアム」がありますが、中古マンション(特に築20年以上)にはその心配がほとんどありません。リノベーションで室内を新築同然に仕上げつつ、資産価値の安定した物件を手に入れられるのは中古+リノベならではの強みです。

中古マンション+リノベーションのデメリット

一方で、注意しておくべきデメリットもあります。

中古+リノベの5つのデメリット
  • 建物の構造上、間取り変更に制約がある場合がある
  • 配管や断熱など見えない部分の劣化リスクがある
  • 物件探し・設計・工事と入居までに6ヶ月以上かかることが多い
  • 管理規約で工事内容に制限がかかるケースがある
  • ローンの選択肢が新築よりやや複雑になる

筆者が4社のハウスメーカーを回ったときに感じたのは「注文住宅は打ち合わせ回数が多くて大変」ということでした。中古+リノベも物件探しと設計の両方で打ち合わせが発生するため、手間のかかり方は同程度かそれ以上です。時間に余裕を持って進めることが重要です。

また、中古マンションは築年数に応じて修繕積立金や管理費が高くなるケースがあります。月々のランニングコストも含めた総合的な資金計画を立てましょう。修繕積立金が安すぎる物件は、将来の大規模修繕時に一時金を徴収される可能性があるため、むしろ注意が必要です。

新築マンション vs 中古+リノベ 比較表

比較項目新築マンション中古+リノベーション
総額(70平米・首都圏)5,500万〜7,000万円3,800万〜5,300万円
立地の選択肢限定的豊富
間取りの自由度ほぼ固定高い(構造による制約あり)
入居までの期間契約から1〜2年物件探しから6〜10ヶ月
住宅ローンシンプル一体型ローンの検討が必要
資産価値の変動購入直後に下がりやすい安定しやすい(築20年以降)
建物の性能最新基準築年数による(補強可能)
管理状況の把握未知数実績を事前確認できる

どちらが「得」かは家族構成やライフスタイルによって異なります。費用面だけを見れば中古+リノベに分がありますが、手間の少なさや最新設備を重視するなら新築も十分な選択肢です。

筆者は最終的に注文住宅を選びましたが、予算を抑えて好立地に住みたい方にとっては中古+リノベのほうが合理的な選択になるケースも多いと感じています。

まずは複数のリノベーション会社から見積もりを取り、ご自身の希望と予算に合うプランがあるかを確認してみるのがおすすめです。予算3,000万〜5,000万円の範囲であれば、都心から少し離れた好立地の中古マンション+充実したリノベーションが十分に実現可能です。

スマホでリノベーションプランを確認するイメージ

中古マンション購入+リノベーションの流れ【全6ステップ】

中古マンションのリノベーションは「物件探し→購入→設計→工事→入居」の大きな流れで進みます。全体像を把握しておくと、スケジュールの遅れや抜け漏れを防げます。

中古マンション購入からリノベーションまでの流れ

ステップ1:情報収集と資金計画(1〜2週間)

まずは予算の上限を決めるところから始めます。物件価格+リノベ費用+諸費用の合計で予算を組みましょう。住宅ローンの事前審査もこの段階で済ませておくと、物件探しがスムーズに進みます。

並行してリノベーション会社に相談し、希望のリノベ内容でどの程度の費用がかかるか概算を把握しておくのがおすすめです。この段階で「物件購入予算の上限」と「リノベに使える予算」を明確にしておくと、物件探しの際に迷いが少なくなります。

資金計画では「物件価格:リノベ費用=7:3」程度の配分が一つの目安です。ただし、好立地を最優先する場合は物件価格の比率が高くなりますし、設備や内装にこだわりたい場合はリノベ費用の比率を上げるなど、優先順位に応じて調整しましょう。

ステップ2:物件探し・内覧(1〜3ヶ月)

不動産ポータルサイトや仲介会社を使って物件を探します。リノベーション前提の場合、内装のきれいさよりも「構造」「管理状態」「立地」を重視して選ぶのがポイントです。

できればリノベーション会社の担当者と一緒に内覧するのが理想です。専門家の目で構造上の制約や配管の状態を確認してもらえるため、購入後の「想定外」を防げます。ワンストップ型のリノベ会社なら、物件探しの段階からプロのサポートを受けられます。

内覧時には室内だけでなく、共用部分(エントランス・廊下・駐輪場・ゴミ置き場)の清掃状態もチェックしましょう。共用部が綺麗に保たれているマンションは、管理組合がしっかり機能している証拠です。

ステップ3:売買契約・住宅ローン契約(2週間〜1ヶ月)

物件が決まったら売買契約を結び、住宅ローンの本審査に進みます。リノベーション一体型ローンを利用する場合は、この段階でリノベ費用の概算見積もりが必要になるため、リノベ会社との打ち合わせも並行して進めましょう。

売買契約の際は「ローン特約」が付いているかを必ず確認してください。ローン審査が通らなかった場合に、違約金なく契約を解除できる条項です。また、契約前にホームインスペクション(住宅診断)を依頼して、建物の健全性を第三者の視点でチェックしてもらうのも有効な手段です。

ステップ4:リノベーションの設計・プランニング(1〜2ヶ月)

物件の引き渡し後、リノベーション会社と具体的なプランを詰めていきます。間取り・設備・素材・収納など、要望をすべて伝えたうえで見積もりを確定させます。

筆者がハウスメーカー4社を回った経験から言えるのは、担当者との相性が非常に重要だということです。住友林業の営業担当は手書きで間取り図を描いてくれるほど熱心で、そうした姿勢が信頼につながりました。リノベーション会社選びでも「提案力」と「コミュニケーションの取りやすさ」は妥協しないでください。

ステップ5:リノベーション工事(2〜3ヶ月)

設計が確定したら着工します。フルリノベーション(スケルトン)の場合、工期は2〜3ヶ月が目安です。部分リノベなら1〜2ヶ月で完了するケースもあります。

工事中は仮住まいが必要になることがほとんどです。マンスリーマンションや実家など、仮住まい先も事前に手配しておきましょう。仮住まいの家賃は月額8万〜15万円程度を見込んでおくと安心です。

着工後は解体してみて初めてわかる問題(配管の劣化、コンクリートのひび割れなど)が出てくることもあります。そのため、先述した予備費(リノベ予算の10〜15%)を確保しておくことが重要です。工事中は定期的に現場を確認し、進捗状況を担当者と共有しましょう。

ステップ6:完成検査・引き渡し・入居(約2週間)

工事完了後、リノベーション会社と一緒に仕上がりを確認します。不具合があればこの段階で修正を依頼します。問題がなければ引き渡しとなり、いよいよ新生活のスタートです。

完成検査では、建具の開閉がスムーズか、コンセントや照明が正常に動作するか、壁紙の仕上がりにムラがないかなど、細かい部分まで丁寧に確認しましょう。気になった箇所は遠慮せずにその場で伝えることが大切です。引き渡し後に気づいた場合でも、多くのリノベ会社ではアフターサービス期間内であれば対応してくれます。

全体を通して物件探しから入居まで約6〜10ヶ月が一般的な期間です。余裕を持ったスケジュールで進めることが、後悔のないリノベーションにつながります。

リノベーション向き中古マンションの選び方|失敗しない7つのポイント

リノベーションの成否は「どの物件を選ぶか」で半分以上決まると言っても過言ではありません。購入前に必ず確認すべき7つのポイントを解説します。

ポイント1:新耐震基準(1981年6月以降)の物件を選ぶ

1981年6月1日以降に建築確認を受けた物件は「新耐震基準」に適合しています。震度6強〜7程度の大地震でも倒壊しない設計が求められる基準で、住宅ローン控除の適用条件にもなっています。

旧耐震基準の物件でも耐震補強済みであれば検討できますが、補強費用が追加でかかる点を考慮に入れましょう。基本的には新耐震基準の物件を優先するのが安心です。

ポイント2:建物構造を確認する(ラーメン構造 vs 壁式構造)

マンションの構造には「ラーメン構造」と「壁式構造」の2種類があります。ラーメン構造は柱と梁で建物を支えるため、室内の壁を撤去して間取りを自由に変更しやすいのが特徴です。

一方、壁式構造は壁で建物を支える仕組みのため、撤去できない壁(耐力壁)があり間取り変更の自由度が低くなります。リノベーションで間取りを大きく変えたい場合は、ラーメン構造の物件を選ぶのがおすすめです。

ポイント3:管理状態と修繕積立金を確認する

マンションの管理状態は、建物の長期的な価値を左右する重要な要素です。以下の項目を必ずチェックしましょう。

管理状態のチェック項目
  • 共用部分(廊下・エントランス・ゴミ置き場)が清潔に保たれているか
  • 長期修繕計画が策定されているか
  • 修繕積立金の残高が適正か(不足していないか)
  • 管理組合の総会議事録に大きなトラブルの記録がないか
  • 大規模修繕工事の実施履歴があるか

「マンションは管理を買え」という言葉があるように、管理が行き届いているマンションは築年数が経っても資産価値が維持されやすい傾向があります。

ポイント4:配管の状態と更新可否を確認する

リノベーションで水回りの位置を変更したい場合、配管の取り回しが可能かどうかが重要です。二重床(置き床)の物件であれば配管の自由度が高く、水回りの移動がしやすくなります。

直床(じかゆか)の物件では床下に配管を通すスペースが限られるため、キッチンやトイレの位置変更が難しいケースがあります。内覧時にリノベーション会社の担当者に確認してもらいましょう。

ポイント5:管理規約でリノベーションの制限を確認する

マンションの管理規約には、リフォーム・リノベーションに関するルールが定められています。使える床材の遮音等級が指定されていたり、ガスコンロからIHへの変更が禁止されていたりするケースもあります。

購入前に管理規約のリフォーム関連条項を必ず確認し、希望の工事が実施可能かどうかを把握しておきましょう。管理規約は仲介会社に依頼すれば事前に取り寄せてもらえます。

よくある制限の例としては、フローリングの遮音等級がLL-45以上(またはLL-40以上)でなければならない、工事可能な時間帯が平日の9時〜17時に限定される、工事前に管理組合への届出と住民への周知が必要、といったものがあります。特にフローリングの遮音等級は費用に直結するため、早めに確認しておきましょう。

ポイント6:築年数と価格のバランスを見極める

リノベーション前提の物件選びでは、築20〜30年の物件がコストパフォーマンスに優れる傾向にあります。築20年を超えると価格下落が緩やかになる一方で、建物の基本性能はまだ十分に保たれているケースが多いためです。

築40年を超えると配管や共用部の老朽化が進んでいる可能性が高まり、追加の修繕コストがかかるリスクがあります。築年数だけでなく、大規模修繕工事の実施状況もあわせて確認しましょう。

ポイント7:将来の売却を見据えた立地を選ぶ

住まいは「いつか売却する可能性がある資産」です。駅からの距離、周辺の生活利便施設、学区など、将来の売却時にも評価されるポイントを意識して物件を選びましょう。

一般的に駅徒歩10分以内、スーパーや病院が徒歩圏内にある物件は、築年数が経っても需要が落ちにくい傾向があります。子育て世帯であれば学区の評判もリセールバリューに影響するため、周辺環境を総合的に評価しましょう。

また、マンションの総戸数も重要な判断材料です。一般的に50戸以上のマンションは管理費・修繕積立金の1戸あたりの負担が抑えやすく、管理組合の運営も安定している傾向があります。小規模マンション(20戸以下など)は管理面でリスクが高まることがあるため、注意が必要です。

中古マンションのリノベーション費用の内訳と節約のコツ

リノベーション費用の内訳を知っておくと、どこにお金をかけてどこを削るかの判断がしやすくなります。費用を賢く抑えるコツもあわせて紹介します。

リノベーション費用の内訳

フルリノベーション費用は、大きく以下の項目で構成されています。

費用項目費用の目安全体に占める割合
解体工事費50万〜100万円約5〜8%
内装工事費(床・壁・天井)200万〜400万円約20〜25%
水回り設備費(キッチン・浴室・トイレ・洗面台)250万〜500万円約25〜35%
電気・配管工事費100万〜200万円約10〜15%
建具・収納造作費100万〜250万円約10〜15%
設計・管理費100万〜200万円約10〜15%

水回り設備費が全体の4分の1〜3分の1を占めるのが特徴です。キッチンやユニットバスのグレードによって数十万〜100万円以上の差が出るため、優先順位をつけて選ぶのがポイントです。

たとえばシステムキッチンは、標準グレードなら50万〜80万円程度ですが、ハイグレードになると150万〜250万円以上になるケースもあります。ユニットバスも同様に、標準グレードで60万〜100万円、ハイグレードで150万〜200万円と大きな幅があります。

設計・管理費はリノベーション会社によって計算方法が異なります。定額制を採用している会社もあれば、工事費の10〜15%を設計料として設定している会社もあるため、見積もり比較の際は費用の内訳を揃えて比べることが大切です。

リノベーション費用を抑える5つのコツ

費用を抑える5つのコツ
  1. 水回りの位置はできるだけ変えない(配管工事費を大幅に削減できる)
  2. 設備はミドルグレードを中心に選ぶ(最上位と標準の機能差は意外と小さい)
  3. こだわる場所とそうでない場所にメリハリをつける
  4. 複数のリノベーション会社から見積もりを取って比較する
  5. 補助金・減税制度を活用する(子育てエコホーム支援事業など)

筆者が注文住宅の見積もりを4社で比較した経験からも言えるのは、複数社への相見積もりの効果は非常に大きいということです。同じ内容でも会社によって100万円以上の差が出ることは珍しくありません。リノベーション会社選びでも相見積もりは必須です。

見積もりを比較する際のコツとしては、同じ条件(面積・間取り変更の有無・設備のグレード)で依頼することが重要です。条件がバラバラだと金額の比較ができません。また、見積書の「一式」表記が多い会社よりも、項目ごとに明確な内訳を出してくれる会社のほうが、追加費用のトラブルが起きにくい傾向があります。

予備費は必ず確保しておく

中古マンションのリノベーションでは、壁や床を解体した段階で想定外の劣化が見つかることがあります。配管の老朽化や下地の傷みなど、工事を始めないとわからない問題です。

こうした不測の事態に備えて、リノベ予算の10〜15%を予備費として確保しておくのが鉄則です。1,000万円のリノベ予算なら100万〜150万円を予備費にしておくと安心です。

使える補助金・減税制度を確認する

リノベーション費用を実質的に抑える手段として、補助金や減税制度の活用も検討しましょう。2026年現在、主に以下の制度が利用できます。

制度名補助額の目安主な条件
子育てエコホーム支援事業最大60万円子育て世帯・若者夫婦世帯が対象、省エネ改修を含むこと
長期優良住宅化リフォーム推進事業最大250万円劣化対策・耐震・省エネの基準を満たすリノベーション
住宅ローン控除最大140万円(10年間)床面積40平米以上、借入期間10年以上
リフォーム減税(固定資産税の減額)1年間1/3減額省エネ・バリアフリー・耐震改修を含むこと

補助金は申請期間や予算上限があり、年度途中で受付が終了することもあります。リノベーション会社が補助金の申請サポートを行っている場合も多いので、初回相談時に確認しておきましょう。

予算別のモデルケース

予算に応じてどの程度のリノベーションが実現できるのか、目安をまとめます。

総予算(物件+リノベ+諸費用)物件価格の目安リノベ費用の目安実現できるリノベの内容
3,000万円1,800万〜2,200万円500万〜800万円水回り交換+内装一新(間取り変更は最小限)
4,000万円2,500万〜3,000万円700万〜1,100万円部分リノベ(間取り変更あり、設備はミドルグレード)
5,000万円3,000万〜3,800万円900万〜1,400万円フルリノベ(スケルトン、設備は中〜上グレード)

予算3,000万〜5,000万円の範囲であれば、首都圏でも好立地の中古マンションを購入して理想的なリノベーションを実現できます。どの予算帯でも、まずは複数社の見積もりを取って具体的な金額感をつかむことが第一歩です。

中古マンションリノベーションの住宅ローン|一体型ローンの仕組みと選び方

中古マンション購入+リノベーションでは、ローンの組み方が新築購入時とは異なります。損をしないために、ローンの種類と特徴を理解しておきましょう。

3つのローンの選択肢

中古マンション+リノベーションで利用できるローンは、主に3つあります。

ローンの種類金利の目安返済期間特徴
住宅ローン(物件購入のみ)0.3〜1.5%最長35年金利が低いが、リノベ費用は別途手配が必要
リフォームローン2.0〜4.0%最長15年無担保で借りやすいが、金利が高く返済期間が短い
リノベーション一体型住宅ローン0.3〜1.5%最長35年物件+リノベ費用をまとめて低金利で借りられる

リノベーション一体型ローンがおすすめの理由

最もおすすめなのは「リノベーション一体型住宅ローン」です。物件購入費とリノベーション費用をまとめて1本のローンで借りられるため、以下のメリットがあります。

  • 住宅ローンの低金利が全額に適用される
  • ローン諸費用が1本分で済む
  • 住宅ローン控除の対象にリノベ費用も含められる
  • 返済期間を最長35年に設定でき、月々の負担を抑えやすい

ただし、一体型ローンを利用するには、物件の売買契約前にリノベーション費用の概算見積もりを用意する必要があります。物件探しとリノベ会社選びを同時並行で進めることが重要です。

一体型ローンを取り扱う金融機関は年々増えており、メガバンクからネット銀行まで幅広い選択肢があります。金利は金融機関によって異なるため、複数の金融機関を比較して最も条件のよいところを選びましょう。リノベーション会社が提携している金融機関を紹介してもらえることもあります。

また、フラット35リノベも有力な選択肢です。中古住宅を購入してリノベーションする場合、一定の条件を満たすと金利が引き下げられる制度です。省エネ性能やバリアフリー性能の向上を含むリノベーションが対象となります。

住宅ローン控除・リフォーム減税の活用

2026年現在、住宅ローン控除とリフォーム減税の制度は2030年まで延長されています。中古マンション+リノベーションでも以下の条件を満たせば控除が受けられます。

住宅ローン控除の主な適用条件
  • 床面積40平米以上の住宅であること
  • 借入期間10年以上の住宅ローンを利用すること
  • 取得後6ヶ月以内に入居すること
  • 合計所得金額が2,000万円以下であること

中古住宅の場合、住宅ローン控除の借入限度額は最大2,000万円(認定住宅等は3,000万円)、控除期間は10年間です。年末残高の0.7%が所得税から控除されるため、10年間で最大140万円の節税効果が期待できます。

なお、住宅ローン控除を受けるためには確定申告が必要です(会社員の場合、2年目以降は年末調整で対応可能)。入居した翌年の確定申告期間に必要書類を揃えて申告しましょう。リノベーション会社や金融機関の担当者に相談すれば、必要書類のリストを教えてもらえます。

また、リフォーム減税として、省エネ改修やバリアフリー改修を行った場合には、翌年度の固定資産税が3分の1減額される制度もあります。床の断熱材追加や二重窓の設置など、省エネリノベーションを計画している場合は併用を検討しましょう。

住宅ローンのイメージ画像

リノベーション会社の選び方と比較のポイント

リノベーション会社は数多くありますが、会社のタイプによって得意分野や費用感が異なります。自分に合った会社を見つけるためのポイントを解説します。

リノベーション会社の主な3タイプ

タイプ特徴費用感こんな人向き
ワンストップ型リノベ会社物件探し・設計・施工を一括対応やや高め初めてで全部お任せしたい人
設計事務所+施工会社デザイン性が高い、オーダーメイド高めデザインにこだわりたい人
リフォーム専門会社工事のみ対応、費用が抑えやすい安め物件は自分で探して工事だけ依頼したい人

中古マンション購入とリノベーションを同時に進める場合は、物件探しからサポートしてくれるワンストップ型が特に便利です。物件の構造を見極めたうえでリノベプランを提案してもらえるため、購入後の「この物件では希望の工事ができなかった」という失敗を防げます。

一方、デザインにとことんこだわりたい方は、設計事務所に依頼する方法もあります。ただし、設計と施工が別会社になるため、コミュニケーションの手間が増える点は覚悟が必要です。設計事務所を選ぶ場合は、マンションリノベの実績がある事務所を選びましょう。戸建てとマンションでは構造上の制約がまったく異なるためです。

リノベーション会社を比較する際の5つのチェック項目

リノベーション会社を選ぶ際は、以下の5つのポイントで比較しましょう。

会社選びの5つのチェック項目
  1. マンションリノベの施工実績が豊富か
  2. 初回相談・見積もりが無料か
  3. アフターサービス・保証の内容が明確か
  4. 担当者のレスポンスが早く、提案力があるか
  5. 見積もりの内訳が明確で、不明瞭な費用がないか

筆者がハウスメーカー4社を回ったとき、大和ハウスでは起業直後という事情を伝えたところ担当者の対応が明らかに変わった経験がありました。逆に住友林業の担当者は予算に関係なく真摯に向き合ってくれました。会社の看板だけでなく、担当者個人の姿勢も大切な判断基準です。

複数社への見積もり比較が重要な理由

リノベーション会社は最低3社から見積もりを取ることをおすすめします。同じ工事内容でも会社によって100万〜300万円の差が出ることがあるためです。

ただし、複数社への個別問い合わせは手間と時間がかかります。筆者も4社のハウスメーカーに足を運びましたが、各社との打ち合わせ回数が積み重なると予想以上に大変でした。「あのとき一括比較サービスを使っていれば、もっと効率よく比較できたかもしれない」と今でも感じています。

リノベーション会社の一括見積もりサービスを利用すれば、一度の申し込みで複数社の提案を受け取れます。審査を通過した会社だけが登録されているサービスを選べば、業者選びの安心感も高まります。

筆者の外構工事では、一番安い業者に依頼した結果、着工が大幅に遅れてトラブルになった経験があります。内容証明を送って消費者センターに相談し、なんとか工事を完了させることができましたが、被害者の中には前金だけ取られて工事が始まらないまま業者が倒産したケースもありました。価格だけで業者を選ぶリスクを身をもって経験しました。

だからこそ、一括比較サービスのように事前審査を通過した業者のなかから選ぶ方法をおすすめします。自分で1社ずつ調べるよりも安全で効率的です。

複数のリノベーション会社の資料を比較するイメージ

中古マンション×リノベーションで後悔しないためのチェックリスト

実際にリノベーションを進めるなかで「もっと早く知っておけばよかった」と後悔するケースは少なくありません。事前に確認しておくべきポイントをチェックリスト形式でまとめます。

物件購入前のチェックリスト

物件購入前に確認すること
  • 新耐震基準(1981年6月以降)を満たしているか
  • 建物構造はラーメン構造か壁式構造か
  • 管理規約にリフォーム・リノベの制限事項はないか
  • 長期修繕計画と修繕積立金の残高は適正か
  • 配管の更新状況と水回り移動の可否
  • リノベーション会社に物件を事前に見てもらったか

設計・プランニング時のチェックリスト

設計時に確認すること
  • 将来のライフスタイル変化を見据えた間取りになっているか
  • 収納スペースは十分に確保されているか
  • コンセントの数と配置は適切か
  • 見積もりの内訳が明確で、曖昧な「一式」表記がないか
  • 予備費(総額の10〜15%)を確保しているか
  • 工期と仮住まいの手配が完了しているか

契約時のチェックリスト

契約時に確認すること
  • 着工日と完工予定日が明記されているか
  • 追加費用が発生する条件が契約書に記載されているか
  • アフターサービス・保証の期間と内容は明確か
  • 支払いスケジュール(着手金・中間金・完了金の割合)が適正か

筆者は注文住宅の外構工事で、契約書に着工日を曖昧に記載したことでトラブルを経験しました。「建物完成後速やかに開始」という書き方では、何ヶ月経っても「まだ速やかの範囲内」と言い逃れされかねません。契約書には「引き渡し後○日以内に着工」と具体的な日数を明記することを強くおすすめします。

また、支払いスケジュールにも注意が必要です。着手金・中間金・完了金の3分割が一般的ですが、着手金の割合が高すぎる業者には慎重になりましょう。一般的な目安は「着手金30%・中間金30%・完了金40%」程度です。全額前払いを求める業者は避けたほうが無難です。

中古マンションのリノベーションでよくある質問(FAQ)

中古マンション×リノベーションについて、読者からよく寄せられる質問をまとめました。

中古マンションのリノベーション費用はどのくらいかかりますか?

フルリノベーション(スケルトン)の場合、1平米あたり15万〜20万円が目安です。70平米のマンションなら1,050万〜1,400万円程度で、設備のグレードや間取り変更の規模によって変動します。これに物件購入費と諸費用を加えた金額が総予算になります。

築何年くらいの物件がリノベーションに向いていますか?

築20〜30年の物件がコストパフォーマンスに優れる傾向があります。築20年を超えると価格下落が緩やかになり、新耐震基準(1981年6月以降)も満たしている物件が多いためです。ただし、管理状態や修繕履歴も重要なので、築年数だけで判断せずに総合的に検討しましょう。

リノベーション中は住み続けられますか?

部分的なリフォームであれば住みながら工事できるケースもあります。しかし、フルリノベーション(スケルトン)の場合は仮住まいが必要です。工期は2〜3ヶ月が目安なので、マンスリーマンションや実家への一時引っ越しを事前に手配しておきましょう。

中古マンションのリノベーションで住宅ローン控除は使えますか?

はい、条件を満たせば住宅ローン控除を利用できます。床面積40平米以上、借入期間10年以上、取得後6ヶ月以内の入居などが主な条件です。リノベーション一体型ローンを利用すれば、リノベ費用も含めた全額が控除の対象になります。2026年現在、制度は2030年まで延長されています。

リノベーション済みの中古マンションを買うのとどちらが良いですか?

リノベーション済み物件は入居までの手間が少なく、実物を見て購入を決められるメリットがあります。一方、自分でリノベーションする場合は間取りや設備を自由に選べます。費用面では「自分でリノベする方が同程度の工事内容で安くなる」ケースが多いですが、手間や時間をかけたくない方にはリノベ済み物件もよい選択肢です。

新築マンションと中古+リノベ、総額ではどちらが安いですか?

一般的に中古+リノベの方が総額を抑えられます。首都圏・70平米の場合、新築マンションが5,500万〜7,000万円に対し、中古+リノベは3,800万〜5,300万円が目安です。ただし、物件の立地やリノベの工事範囲によって変わるため、具体的な比較は見積もりを取って判断しましょう。

まとめ|中古マンション×リノベーションで理想の住まいを実現しよう

中古マンション×リノベーションは、新築マンションより総額を抑えながら自分好みの住まいを実現できる魅力的な選択肢です。最後に、この記事のポイントを振り返ります。

この記事のまとめ
  • リノベーション費用の相場は1平米あたり15〜20万円、70平米で1,050万〜1,400万円が目安
  • 物件+リノベの総額は新築マンションより1,000万〜2,000万円抑えられる可能性がある
  • 物件選びでは耐震基準・構造・管理状態・配管の確認が必須
  • リノベーション一体型住宅ローンで金利と控除のメリットを最大化する
  • 複数のリノベーション会社から見積もりを取って比較することが失敗を防ぐ鍵

筆者は住友林業で注文住宅を建てましたが、中古+リノベも並行検討したからこそ「自分にとってベストな選択ができた」と感じています。大切なのは、十分な情報収集と複数社の比較検討を通じて、納得のいく判断をすることです。

家づくりで後悔しないために最も重要なのは「比較すること」です。筆者は4社のハウスメーカーに足を運びましたが、行く前のイメージと実際の印象がだいぶ変わりました。リノベーション会社選びでも同じことが言えます。1社だけの提案で決めるのではなく、複数の会社からプランと見積もりを取り寄せて、比較検討してから決断しましょう。

まずはリノベーション会社から無料でプラン提案や見積もりを受け取り、ご自身の希望と予算に合った進め方を見つけてみてください。一括比較サービスを使えば、3分程度の入力で複数社のプランをまとめて受け取れます。

夫婦がリビングでリノベーション資料を確認するイメージ
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