「新築を建てるときに、やってはいけない家相があるって本当?」と気になっていませんか。家相には鬼門・裏鬼門への水回り配置など、避けた方がよいとされる間取りのタブーがいくつか存在します。
筆者自身も注文住宅を検討する中で、南向きの柱のない大空間リビングを最優先の希望として設計士に伝えた経験があります。ルールを厳密に守ろうとすると、希望の間取りを諦めることになりかねないと実感しました。
この記事では、鬼門・裏鬼門など家相の基本ルールから、玄関・トイレ・キッチンの配置NG例、気にしすぎることのデメリット、注文住宅の間取り設計での実務的な折り合いのつけ方まで解説します。
家相とは?新築で気にする人が多い理由
家相とは、家の間取りや方位から吉凶を判断する日本の伝統的な考え方です。まずは基本的な考え方と、新築のタイミングで多くの人が気にする理由を整理します。
家相と風水の違い
家相は日本で独自に発展した考え方で、方位や間取りの吉凶を重視します。一方、風水は中国発祥で気の流れやインテリアの配置まで対象に含む点が異なります。同じ間取りでも家相と風水で判断が分かれることがあるため、どちらか一方を絶対の正解と考えない方が無難です。
なぜ注文住宅で家相を意識する人が多いのか
注文住宅は間取りを自由に決められる分、家族や親世代から「鬼門に玄関を作らない方がいい」といった意見が出やすい傾向があります。一生に一度の大きな買い物だからこそ、少しでも縁起の良い家にしたいと考える人が多いことが背景にあります。
【方位編】やってはいけない家相の基本ルール
家相の基本は方位にあります。まずは鬼門・裏鬼門・正中線・四隅線という4つのキーワードと、それぞれで避けた方がよいとされる配置を一覧で確認しましょう。
| 該当 | 方角 | 避けたい配置 | 現代的な理由 |
|---|---|---|---|
| 鬼門 | 北東 | 玄関・水回り | 日当たり・通風への配慮 |
| 裏鬼門 | 南西 | 玄関・水回り | 西日への配慮 |
| 正中線 | 家の中心線 | 火気・水回り設備 | 生活動線への配慮 |
| 四隅線 | 家の対角線 | 火気・水回り設備 | 流派で解釈が分かれる |
鬼門・裏鬼門とは
鬼門は北東の方角を指し、邪気が出入りする方角とされています。反対側にあたる南西は裏鬼門と呼ばれ、どちらも古くから注意が必要な方位とされてきました。
「三所に三備を設けず」の考え方
家相には「鬼門・裏鬼門・宅心(家の中心)には玄関・キッチン・トイレを設けない」という「三所に三備を設けず」という考え方があります。水回りを鬼門に集中させないという発想には、日当たりや通風への配慮という合理的な側面もあるとされています。
【玄関編】やってはいけない家相・間取りNG例
玄関は「気」の入り口とされ、家相の中でも特に重視される場所です。代表的なNG例を確認しましょう。
鬼門・裏鬼門の玄関

玄関を鬼門・裏鬼門に配置すると、外からの邪気が家の中に入りやすくなるとされ、やってはいけない家相の代表例として挙げられます。土地の形状によっては配置が難しい場合もあるため、間取りの初期段階で優先順位を確認しておくと安心です。
玄関と勝手口・窓が一直線になる「漏財宅」
玄関から見て正面に勝手口や大きな掃き出し窓が一直線に並ぶ間取りは「漏財宅」と呼ばれ、入ってきた運気や金運がそのまま通り抜けてしまうとされています。玄関に入って正面を壁や収納にする、視線をずらすなどの工夫が対策として挙げられます。
複数玄関・家の中心にある玄関
1つの家に玄関が複数ある間取りや、家の中心(宅心)に玄関がある間取りも避けた方がよいとされています。来客用と生活用で玄関を分けたい場合は、勝手口として明確に用途を分ける設計にすると折り合いをつけやすくなります。

玄関の方位だけで判断がつかない場合は、複数のハウスメーカーに間取りプランを出してもらい、比較しながら検討する方法もあります。
【トイレ・浴室編】やってはいけない家相・間取りNG例
トイレや浴室は「不浄」を扱う水回りとされ、配置に特に注意が必要とされる場所です。玄関編と共通するポイントも多いため、あわせて確認しましょう。
鬼門・裏鬼門・家の中心のトイレ

鬼門・裏鬼門・家の中心にトイレを配置するのは、三所に三備を設けずの考え方に反する代表的なNG例です。現代の住宅では換気設備が発達しているため、方位よりも臭いや湿気対策を優先して考える人も増えています。
リビング・キッチンに近すぎるトイレ
トイレがリビングやキッチンのすぐ隣にある間取りは、音や臭いの面だけでなく家相的にも避けたい配置とされています。廊下や収納をワンクッション挟むことで、生活面でも家相面でも配慮しやすくなります。
浴室・洗面所の配置で気をつけたいポイント
浴室や洗面所も水回りのため、トイレと同様に鬼門・裏鬼門への配置は避けた方がよいとされています。日当たりの悪い北側にまとめて配置する間取りが一般的ですが、方位を気にする場合は北東・南西を避けるプランを検討しましょう。
【キッチン編】やってはいけない家相・間取りNG例
キッチンは火と水の両方を扱う場所のため、家相の中でも配置の判断が難しい設備の1つです。代表的なNG例を見ていきましょう。
鬼門・裏鬼門・正中線上のキッチン

キッチンを鬼門・裏鬼門・正中線上に配置するのは、火気を不安定な方位に置くことになるとしてやってはいけない家相の代表例とされています。間取りの都合でどうしても避けられない場合は、換気やコンロの向きを工夫する対策もあります。
玄関から丸見えのキッチン
玄関を開けてすぐにキッチンが見える間取りは、来客時に生活感が出やすいだけでなく、家相的にも避けたい配置とされています。対面キッチンの向きを工夫したり、玄関からの視線を壁でさえぎったりする方法が対策になります。
窓がなく風通しの悪いキッチン
窓がなく風通しの悪いキッチンは、家相の観点だけでなく実生活でも湿気やにおいがこもりやすいというデメリットがあります。方位のルールを優先しすぎて窓の位置を制限すると、かえって暮らしにくくなる可能性がある点には注意が必要です。
家相を気にしすぎることのデメリット
家相はあくまで伝統的な考え方であり、効果が科学的に実証されているわけではありません。ルールを優先しすぎることで生じるデメリットも理解しておきましょう。
生活動線や希望の間取りが犠牲になることがある
家相のルールをすべて厳密に守ろうとすると、家事動線や日当たりなど、暮らしやすさに直結する要素を犠牲にしてしまうケースがあります。方位を優先するあまり、家族が一番望んでいた間取りを諦めることになっては本末転倒です。
筆者は注文住宅を建てる際、柱のない南向きの大空間リビングを最優先の希望として設計士に伝えていました。当初検討していた商品ライン(セミオーダー)では、大空間の中に柱や壁を設ける必要があり実現できませんでした。最終的に完全自由設計のプランへ変更したことで、希望通りの間取りが実現しています。方位や配置のルールだけを優先していたら、この理想のリビングは実現できなかったかもしれません。
家相の判断基準は流派・鑑定士によって異なる
家相は流派や鑑定士によって細部の解釈が異なることがあり、複数の情報源に相談すると意見が食い違うケースも珍しくありません。100点満点の正解を求めすぎると、いつまでも間取りが決まらなくなってしまいます。
実際に注文住宅を建てた人がどのような点で後悔しやすいのかは、以下の記事でアンケート調査をもとに詳しく解説しています。

注文住宅の間取り設計で家相と実務的に折り合いをつける方法
家相を完全に無視するのも、すべて優先するのも現実的ではありません。ここでは実際の間取り設計で使いやすい折り合いのつけ方を紹介します。
「絶対に避けたい配置」と「気休め程度」を切り分ける
家族や自分がどうしても気になるポイントと、それほど重視していないポイントを最初に整理しておくと、設計士との打ち合わせがスムーズになります。すべてを完璧に満たそうとせず、優先順位の高い項目だけ意識するのが現実的な進め方です。
家相の代わりにできる現実的な工夫

方位の制約で希望の間取りを実現できない場合は、換気設備の強化や観葉植物の設置、地鎮祭やお祓いなど気持ちを整理する方法で折り合いをつける人も多くいます。生活動線・採光・収納など、暮らしやすさに直結する要素を優先しつつ、可能な範囲で方位に配慮するのが現実的なバランスです。
設計士・ハウスメーカーに相談するときのポイント
家相を考慮した設計に対応できるかどうかは、ハウスメーカーや設計士によって差があります。契約前の打ち合わせで方位への配慮を相談できるか確認し、複数社の間取りプランを比較しながら検討すると納得感のある家づくりにつながります。
実際に家相を意識しながら間取りをまとめた成功例は、以下の記事でも紹介しています。

家相が気になる人のチェックリスト
ここまでの内容を踏まえ、間取り設計の打ち合わせ前に確認しておきたいポイントをリストにまとめました。
- 絶対に譲れない生活動線・希望の間取りを先に整理する
- 鬼門・裏鬼門への水回り集中は可能な範囲で避ける
- 正中線・四隅線への火気設備の配置に気をつける
- 家相より採光・通風・断熱性能を優先して考える
- 気になる場合は複数社に間取りプランを相談し比較する
よくある質問
まとめ:やってはいけない家相と後悔しない考え方
やってはいけない家相とされる間取りには、鬼門・裏鬼門への水回り集中や、玄関と窓が一直線になる配置など、いくつかの共通パターンがあります。多くは日当たりや通風、生活動線への配慮という合理的な側面も含んでいます。
一方で、家相を気にしすぎて希望の間取りを諦めてしまっては本末転倒です。生活のしやすさを優先しながら、できる範囲で方位に配慮するバランス感覚が大切になります。まずは複数のハウスメーカーに間取りプランを相談し、自分たちに合った折り合いのつけ方を見つけてみてください。




