土地ありの注文住宅相場はいくら?建築費・坪数別シミュレーションを解説

土地ありの注文住宅相場はいくら?建築費・坪数別シミュレーションを解説

「土地はすでにあるけど、注文住宅の建築費っていくらかかるの?」と気になっていませんか。土地ありの注文住宅の建築費は、全国平均で約3,900万円(坪単価約109万円)が目安です。

土地代がかからない分、同じ予算でも建物にかけられる金額に余裕が生まれます。筆者は2025年に住友林業で注文住宅を建てましたが、建築費だけでも想定外の出費がいくつかありました。

この記事では、土地ありの注文住宅の建築費相場を坪数別・エリア別に解説し、土地なしとの違いや諸費用、相続・贈与した土地に建てる場合の注意点まで詳しく紹介します。

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目次

土地ありの注文住宅の相場は?建築費の全国平均

まずは土地ありの場合の建築費の全国平均を確認しましょう。土地代を考える必要がない分、注目すべきは「建物にいくらかかるか」という点です。

注文住宅の費用内訳を示す円グラフ

建築費の全国平均は約3,900万円(坪単価109万円)

フラット35利用者調査をもとにすると、土地ありの注文住宅にかかる建築費は全国平均で約3,900万円、坪単価にすると約109万円が目安です。延床面積は平均35〜36坪程度になります。

項目全国平均
建築費約3,900万円
坪単価約109万円
平均延床面積約35.9坪(約118.5m²)
諸費用約390万円(建築費の約10%)
総額目安(土地代別)約4,300万円

諸費用を含めた総額の目安は約4,300万円

建築費だけでなく、登記費用や住宅ローン手数料などの諸費用も忘れずに見込んでおく必要があります。諸費用は建築費の約7〜10%が目安で、建築費3,900万円の場合は約390万円です。

合計すると建物だけで約4,300万円が総額の目安になります。この金額に土地代がかからないのが、土地ありの最大のメリットです。

建築費の内訳は「本体工事費」と「付帯工事費」に分かれる

建築費3,900万円の内訳をさらに細かく見ると、建物本体の工事費が約70〜80%、地盤改良や給排水引き込みなどの付帯工事費が約15〜20%を占めます。坪単価の広告表示は本体工事費のみのケースが多いため、見積もり時は付帯工事費まで含めた総額で比較することが大切です。

また平屋は2階建てに比べて基礎・屋根の面積が大きくなるため、同じ延床面積でも坪単価は1〜2割高くなる傾向があります。土地の広さに余裕があり平屋を検討している場合は、この点も見積もりで確認しておきましょう。

土地ありと土地なしで建築費はどう違う?

同じ「注文住宅」でも、土地の有無によって建築費にかけられる予算が変わります。実際のデータで比較してみましょう。

項目土地あり土地なし(参考)
建築費の目安約3,900万円約3,500万円
坪単価の目安約109万円約99万円
土地代不要約1,500万円
総額の目安約4,300万円約5,000万円

土地なしの場合、限られた予算の中で土地代と建築費を配分するため、建築費に回せる金額は相対的に小さくなります。一方、土地ありなら建築費だけで約400万円多く予算をかけられる傾向があります。

これは「総予算から土地代を引いた残りが建築費になる」という土地なしの家計構造に対して、土地ありは総予算のすべてを建築費に充てられるためです。世帯年収から逆算した無理のない総予算をまず決め、その全額を建物に使えるかどうかを意識すると、予算配分で迷いにくくなります。

同じ予算感でも、土地代がない分だけ設備や仕様のグレードを上げやすいのが、土地ありで注文住宅を建てる大きな強みです。まだ土地をお探しの方は、土地込みの総額を解説した記事もあわせてご覧ください。

【坪数別】土地ありの注文住宅シミュレーション

延床面積(坪数)によって建築費は大きく変わります。坪単価109万円をベースに、坪数別の建築費・諸費用・総額の目安をまとめました。総額は土地代を含みません。

延床面積建築費の目安諸費用の目安建物総額
25坪(約83m²)2,700万〜3,000万円270万〜300万円約2,970万〜3,300万円
30坪(約99m²)3,200万〜3,600万円320万〜360万円約3,520万〜3,960万円
35坪(約116m²)3,700万〜4,200万円370万〜420万円約4,070万〜4,620万円
40坪(約132m²)4,200万〜4,800万円420万〜480万円約4,620万〜5,280万円
45坪(約149m²)4,700万〜5,300万円470万〜530万円約5,170万〜5,830万円
50坪(約165m²)5,200万〜6,000万円520万〜600万円約5,720万〜6,600万円

4人家族の標準的な広さである30〜35坪であれば、土地ありの場合は建物総額で3,500万〜4,600万円程度が目安です。土地代を気にせずこの金額を建物にフルで使えるのが強みです。

電卓と家の模型で建築費を試算するイメージ

ただしハウスメーカーによって坪単価は大きく異なります。同じ坪数でも数百万円の差が出るため、複数社の見積もりを比較することが欠かせません。

【エリア別】土地ありの注文住宅の建築費相場

建築費は地域によっても差があります。土地代がかからない土地ありのケースでも、人件費や施工会社の坪単価水準の違いから、建築費そのものに地域差が出ます。

エリア建築費の目安坪単価の目安
首都圏約4,190万円約119万円
近畿圏約3,900万円約109万円
東海圏約3,890万円約107万円
その他地域約3,600万円約105万円

首都圏は職人の人件費や運搬コストが高いため、坪単価が全国平均より1割ほど高くなる傾向があります。土地ありの場合、この建築費がそのまま予算の目安になります。

ただしこの表はあくまで地域ごとの平均値です。同じエリア内でもハウスメーカーによって坪単価は大きく異なるため、まずは自分の住むエリアに対応しているメーカーを絞り込み、そのうえで相見積もりを取るのが効率的です。

ハウスメーカー・工務店ごとの坪単価の違いをさらに詳しく知りたい方は、大手15社を比較した記事も参考にしてください。

【価格帯別】土地ありで建てられる家のグレード目安

予算帯によって建てられる家のグレード感は変わります。土地ありの場合、以下の予算がそのまま建物の仕様に反映されます。

価格帯延床面積の目安グレード感
1,000万円台25〜30坪規格プラン中心のローコスト住宅
2,000万円台30〜35坪地元工務店・ミドルグレード
3,000万円台30〜40坪大手ハウスメーカーの標準グレード
4,000万円台以上35坪〜ハイグレード・フルオーダー

土地なしの場合は3,000万円台でも「土地代を差し引くと建物は2,000万円台の仕様」になりがちですが、土地ありなら予算表示の価格帯と建物のグレードがほぼ一致します。この分かりやすさも土地ありのメリットです。

2,000万円台から3,000万円台に予算を上げると、耐震等級3や高断熱仕様への対応、キッチン・浴室のグレードアップなど選択肢が一気に広がります。逆に4,000万円台以上は全館空調や太陽光発電といった設備面の自由度が高くなる一方、要望が膨らみやすく予算オーバーのリスクも上がるため、優先順位を決めてから打ち合わせに臨むことが大切です。

土地ありの場合にかかる諸費用の内訳

土地ありの場合、土地の仲介手数料や土地分の不動産取得税・所有権移転登記は発生しません。かかる諸費用は建物に関するものだけです。

見積書を確認する手元
土地ありの場合にかかる主な諸費用
  • 建物表題登記・保存登記費用:10万〜20万円
  • 住宅ローン事務手数料・保証料:50万〜100万円
  • 火災保険・地震保険料(10年分目安):20万〜50万円
  • 印紙税:1万〜3万円
  • 地盤調査費:5万〜10万円
  • 地盤改良費(必要な場合のみ):50万〜200万円
  • 外構工事費:100万〜300万円

土地を先に購入する場合は建物完成までの「つなぎ融資」の利息が発生しますが、すでに土地を所有していればつなぎ融資が不要になるケースが多いのも見逃せないメリットです。

また土地の購入自体がないため、土地代にかかる仲介手数料(土地代の3%+6万円+消費税が目安)や、土地分の不動産取得税・所有権移転登記費用もかかりません。土地代1,500万円のケースで換算すると、仲介手数料だけで50万円前後の差になります。

諸費用の項目別の相場や節約のコツをさらに詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。

【体験談】筆者が住友林業で建てた建築費だけのリアルな内訳

筆者は2025年5月に住友林業で注文住宅を建てました。土地代を除いた建物だけの費用感と、想定外だったポイントを紹介します。

木目調の温かみのある注文住宅の外観
筆者の建築費で感じたこと
  • 住友林業・大和ハウス・パナソニックホームズ・ミサワホームの4社を比較検討した
  • 建物・付帯工事・諸費用を合わせた総額は土地代を除いて約4,500万円程度だった
  • 展示場はハイグレード仕様のため、標準仕様との差額を必ず確認すべきだった
  • 外構費用が想定外に高く、住友林業経由の見積もりは600万円超だった
  • 別の外構業者に依頼して大幅にコストを抑えたが、業者選びでトラブルも経験した

特に感じたのは、建築費だけを見て安心していると外構費用で予算オーバーしやすいということです。建築費とは別に、外構費として200万〜300万円は最初から確保しておくことをおすすめします。

筆者の総額約4,500万円は全国平均の建築費3,900万円+諸費用390万円の目安(約4,300万円)よりやや高めですが、これは断熱性能や造作へのこだわりでオプションを積み上げた結果です。平均値はあくまで出発点として、自分たちのこだわりポイントに応じて上下する前提で予算を組むとよいでしょう。

外構費用の内訳や業者選びの注意点は、以下の記事で実体験を交えて詳しく解説しています。

外構工事の費用相場はいくら?部分別の内訳と業者選びの落とし穴もあわせてご覧ください。

相続・贈与された土地に注文住宅を建てる場合の注意点

土地ありで検索する方の中には、親から相続・贈与された土地に家を建てようとしているケースも多くあります。この場合は建築費以外にも確認すべき点があります。

相続登記は済んでいるか確認する

2024年4月から相続登記が義務化されました。名義が亡くなった親のままだと住宅ローンの担保設定ができないため、着工前に相続登記を済ませておく必要があります。

地目が「田」「畑」の場合は農地転用が必要

登記簿上の地目が農地になっている場合、そのままでは家を建てられません。農業委員会への届出や許可(農地転用)の手続きが必要になるため、着工スケジュールに余裕を持たせましょう。

贈与を受けた場合は贈与税に注意

土地の贈与を受けた場合、年間110万円までの基礎控除(暦年課税)か、2,500万円まで非課税になる相続時精算課税制度のいずれかを選択できます。どちらが有利かは資産状況によって変わるため、税理士や自治体の窓口に相談するのが安心です。

建築会社を自由に選べるのも土地ありの強み

土地を購入する場合、指定の建築会社でしか建てられない「建築条件付き土地」に注意が必要ですが、すでに土地を所有していればその制約がありません。ハウスメーカーでも地元の工務店でも、予算と希望に合わせて自由に選べるのは土地ありならではのメリットです。

土地ありで注文住宅を建てる流れ

土地探しが不要な分、土地なしのケースより着工までの流れはシンプルです。全体の流れを6ステップで確認しましょう。

STEP
建築費の予算を確定する

世帯年収や自己資金から、建物にかけられる総額を試算します。

STEP
ハウスメーカー・工務店を比較する

複数社から間取りプランと見積もりを取り、坪単価や仕様を比較します。所有する土地の建ぺい率・容積率もあわせて確認してもらいましょう。

STEP
地盤調査を依頼する

土地を取得した時期にかかわらず、着工前に地盤の強さを確認します。改良が必要な場合は追加費用が発生します。

STEP
プラン打ち合わせ・見積もり確定

間取り・設備・仕様を打ち合わせ、最終的な見積もりを確定します。

STEP
契約・住宅ローン本審査

工事請負契約を結び、住宅ローンの本審査を進めます。土地の担保設定に必要な相続登記なども、この段階までに済ませておきます。

STEP
着工〜引き渡し

着工から引き渡しまでは4〜6か月程度が目安です。外構工事のタイミングも事前にハウスメーカーと相談しておきましょう。

土地ありの注文住宅で建築費を抑える6つのコツ

土地ありの場合、予算のすべてを建物にかけられるからこそ、無駄な出費を減らす工夫が効いてきます。

複数社から建築費の見積もりを取る

同じ坪数・仕様でも、ハウスメーカーによって200万〜500万円以上の差が出ることは珍しくありません。最低でも3社以上から見積もりを取りましょう。

建物の形状をシンプルにする

凹凸の多い外観や複雑な屋根形状は施工の手間が増え、建築費が上がる原因になります。総2階建ての四角い形状が最もコストを抑えやすい形です。

設備の優先順位を明確にする

キッチンやバスルームなど、毎日使う場所にはこだわり、来客用トイレなどは標準仕様にするといったメリハリをつけると、建築費全体を抑えながら満足度も高められます。

補助金・減税制度を活用する

省エネ性能の高い住宅には国や自治体の補助金が用意されています。住宅ローン減税とあわせて、利用可能な制度をハウスメーカーの担当者に確認しましょう。

地盤改良費を事前に確認しておく

地盤改良費は最大200万円程度の予想外の出費になりがちです。契約前の段階で地盤調査の実施タイミングと概算費用を確認しておくと、資金計画のズレを防げます。

オプション込みの総額で見積もりを比較する

坪単価の安さだけで比較すると、契約後にオプション費用が積み上がって結局割高になるケースがあります。見積もりを比較する際は、坪単価ではなく付帯工事費・オプションまで含めた総額で並べて確認しましょう。

スマホで間取り図を見ている手元

注文住宅相場「土地あり」に関するよくある質問

土地ありの場合、注文住宅の建築費はいくらが目安ですか?

全国平均で約3,900万円(坪単価約109万円)が目安です。諸費用を含めると総額は約4,300万円程度になります。ただしハウスメーカーのグレードや坪数によって幅があるため、複数社の見積もりで確認しましょう。

土地ありと土地なしでは、建築費にどのくらい差がありますか?

土地ありのほうが建築費に回せる予算が大きくなる傾向があり、全国平均で約300万〜400万円ほど建築費が高くなります。土地代がかからない分、建物の仕様やグレードを上げやすいのが特徴です。

相続や贈与で譲り受けた土地に家を建てる場合、何を確認すればいいですか?

まず相続登記が済んでいるかを確認しましょう。2024年4月からは相続登記が義務化されています。また地目が「田」「畑」の場合は農地転用の手続きが必要です。贈与を受けた場合は年間110万円までの基礎控除や相続時精算課税制度も確認しておきましょう。

土地ありの場合、つなぎ融資は必要ですか?

土地を先に購入する場合と異なり、既に土地を所有していればつなぎ融資が不要になるケースが多いです。ただし着工金・中間金の支払いタイミングによっては分割融資が必要になる場合もあるため、金融機関に確認しておきましょう。

土地ありでも地盤改良費はかかりますか?

かかる場合があります。土地を取得した時期にかかわらず、地盤の強さは着工前の地盤調査で判明します。改良が必要な場合は50万〜200万円程度の追加費用を見込んでおきましょう。

建築費を安く抑えるにはどうすればいいですか?

複数のハウスメーカー・工務店から見積もりを取ることが最も効果的です。同じ坪数・仕様でも200万円以上の差が出ることがあります。建物の形状をシンプルにする、設備の優先順位を明確にすることも有効です。

土地の名義が親のままでも注文住宅は建てられますか?

名義が親のままだと、住宅ローンを組む際に土地を担保に設定できず審査が進められません。着工前に相続登記(親が亡くなっている場合)や名義変更の手続きを済ませておく必要があります。

狭小地や変形地でも建築費はあまり変わりませんか?

狭小地や変形地は、足場の設置や資材の搬入がしにくく、施工の手間が増えるため坪単価が1〜2割高くなる傾向があります。すでにお持ちの土地の形状にクセがある場合は、その土地での施工実績が豊富なハウスメーカー・工務店を選ぶと安心です。

まとめ:土地ありの注文住宅は建築費を賢く比較しよう

土地ありの注文住宅の建築費は、全国平均で約3,900万円(坪単価約109万円)、諸費用を含めた総額は約4,300万円が目安です。土地代がかからない分、同じ予算でも建物にかけられる金額に余裕が生まれます。

ただし相場はあくまで平均値です。ハウスメーカーによって坪単価は数百万円単位で異なるため、複数社の見積もりを比較することが、限られた予算で理想の家を建てる一番の近道です。

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夫婦がリビングでカタログを確認する様子
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